円く毛髪が抜ける病気で、単発型を基本としますが、時に多発したり、頭全体(=全頭型)、あるいは全身(=汎発型)の毛髪が抜けるタイプもあります。
成長期の毛包が、自分自身のリンパ球から攻撃を受け破壊されてしまうことが原因です。ストレスとの直接の関係はありませんが、自己免疫に関わる病気と考えられており、なりやすい体質の遺伝はあるようです。
治療は、軽度であればステロイドなどの外用や内服薬で経過を見ます。中等症から重症では、局所免疫療法など専門的な治療を要します。
思春期以降の男性で、特に頭頂部~前頭部の毛髪が薄くなる(軟毛化)ものです。成長期が短縮するため、毛包は大きく成長せずに小さなまま退行期、休止期に至ります(=毛包のミニチュア化)。
男性ホルモン(アンドロゲン)のレセプターと、毛乳頭細胞のⅡ型5α-リダクターゼという酵素の作用が原因で、遺伝的要素が大きく関係しています。
毛髪に対しアンドロゲンは、頭部では薄く、ひげや胸毛など体毛では濃く(硬毛化)なるように、逆方向に働きます。
また、女性でも更年期以降を中心に、男性型脱毛のような症状になることがあります(女性型脱毛)。この場合、生え際の毛髪は保たれ、頭頂部中心に薄毛になります。
治療としては、男女共にミノキシジルの外用剤(毛乳頭細胞の増殖を促す)があり、更に男性では、フィナステリド(プロペシア®)の内服薬が効果的です。何れも保険適応ではありませんが、皮膚科専門医と相談の上、治療を開始するのが望ましいです。